時効・民事法制度の新展開
松久三四彦先生古稀記念
タイトル | 時効・民事法制度の新展開 |
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サブタイトル | 松久三四彦先生古稀記念 |
著者 | 藤原 正則/池田 清治/曽野 裕夫/遠山 純弘/林 誠司 (編集) |
出版年 | 20220830 |
出版社 | 信山社 |
装丁 | A5判 |
ISBN | 9784797219920 |
時効・民事法制度の本質を理論と実務から包括的に検討、再構築を図る。国内外から40名の研究者と実務家が集い、多様な論稿を掲載。
目次
・はしがき
◇第1部 時効制度をめぐる検討と再構築◇
1 取得時効と登記に関する基礎的考察―判例理論の再検討〔七戸克彦〕
Ⅰ 考察の対象
Ⅱ 戦前の判例
Ⅲ 戦後の判例
Ⅳ 若干の所見
2 法律関係論における消滅時効〔亀本 洋〕
Ⅰ 請求権と訴権の区別と消滅時効
Ⅱ ホーフェルドの法律関係論
Ⅲ サーモンドの法律関係論と消滅時効
Ⅳ コクーレクの法律関係論と消滅時効
Ⅴ むすびにかえて
3 消滅時効の二重期間と権利行使可能性―民法166条と民法724条の起算点論〔松本克美〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 民法166条と権利行使可能性
Ⅲ 民法724条と権利行使可能性
Ⅳ 起算点解釈の具体例
Ⅴ お わ り に
4 抵当権の消滅時効に関する一考察―被担保債権が破産法上の免責許可決定の効力を受ける場合における抵当権独自の消滅時効の可否をめぐって〔草野元己〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 最判平30・2・23について
Ⅲ 立法過程から見た民法166条2項の趣旨と抵当権の時効消滅の位置づけ
Ⅳ 抵当権の被担保債権に免責決定の効力が及ぶ場合の権利行使と時効
Ⅴ 結びに代えて
5 「生命又は身体」侵害による損害賠償請求権と消滅時効〔平野裕之〕
Ⅰ 問 題 設 定
Ⅱ 法制審の審議を見る前に
Ⅲ 2017年改正法の法制審における審議
Ⅳ 法制審での議論と将来の展望
6 定期金債権の消滅時効〔香川 崇〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 定期金債権の消滅時効の起算点に関する学説
Ⅲ ボワソナード民法草案
Ⅳ 明治民法の起草過程
Ⅴ 改正民法の起草過程
Ⅵ お わ り に
7 B型肝炎訴訟における20年の除斥期間の起算点―最高裁判所に提出した意見書〔金山直樹〕
は じ め に
Ⅰ 除斥期間に関する判例の分析
Ⅱ 本件の解決のために考慮すべき要素
む す び
8 再生債権査定異議訴訟における提訴期間経過後の残部請求の可否―MTGOXの再生事件における1つの論点〔中島弘雅〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 異議訴訟における一部請求後の残部請求の可否
Ⅲ 異議訴訟における提訴期間経過後の残部請求の可否
Ⅳ お わ り に
9 時効と期間の計算〔尾島茂樹〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 時効期間満了と民法142条
Ⅲ 時効の遡及効と民法140条
Ⅳ お わ り に
◇第2部 理論と実務をめぐる検討と再構築◇
10 自主占有の独自性〔遠山純弘〕
Ⅰ 自 主 占 有
Ⅱ 民法180条の成立史
Ⅲ 自主占有の独自性
Ⅳ 今後の課題
11 法解釈方法論から見た改正債権法〔大久保邦彦〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 解釈規準の相互関係
Ⅲ 立法者の誤謬(総論)
Ⅳ 立法者の誤謬(各論)
Ⅴ お わ り に
12 Society 5.0における民事上の監督義務者の責任に関する基礎的考察―ICTサービス事業者の(準)監督義務者該当性の検討を中心に〔角本和理〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 工業社会における監督義務者責任の史的展開
Ⅲ Society 5.0における民事上の監督義務者の責任
Ⅳ むすびにかえて
13 「手続保障の第三の波」理論と証拠・情報の収集手続〔酒井博行〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 証拠・情報の収集手続に関する「第三の波」理論の見解
Ⅲ 証拠・情報の収集手続に関する「第三の波」理論の見解に対する従来の批判
Ⅳ 検 討
Ⅳ お わ り に
14 素因斟酌ルールの経済分析―活動インセンティブの適正配分の観点から〔永下泰之〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ ESルールの概要
Ⅲ ESルールの経済分析
Ⅳ 若干の考察と結びに代えて
15 損害賠償法における「利得禁止」〔濱口弘太郎〕
Ⅰ 利得禁止と損益相殺
Ⅱ 不法行為による損害賠償請求権に対する遅延損害金をめぐる近時の判例
Ⅲ グレゴールの利得禁止論
Ⅳ 結びに代えて
16 遺族に対する死因説明及び診療記録開示に関する研究序説―死因説明義務に関する裁判例及び学説の分析から〔林 誠司〕
Ⅰ はじめに―問題の所在
Ⅱ 死因説明義務・診療記録開示義務に関する裁判例
Ⅲ 死因説明義務に関する学説
Ⅳ 検 討
Ⅴ お わ り に
17 民法717条1項にいう工作物の「占有者」〔橘井雄太〕
Ⅰ はじめに―問題設定
Ⅱ 学説の議論状況
Ⅲ 裁 判 例
Ⅳ おわりに―残された問題
18 詐欺的投資取引における媒介者の責任とマルチ型勧誘の規制〔道尻 豊〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 投資取引の媒介に関係する法規制
Ⅲ 媒介者の不法行為責任と裁判例
Ⅳ 詐欺的投資のマルチ取引に対する規制
Ⅴ お わ り に
19 旅客運送契約の債務の内容と旅客運送人の責任原則―立証責任の分配に着目して〔南 健悟〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 裁判例における旅客運送人の責任の枠組み
Ⅲ 旅客運送人の債務の内容と立証責任
Ⅳ 商法590条の位置づけ
20 物上代位の目的債権の譲渡後の抵当権者・第三債務者・譲受人間の法律関係―目的債権の帰属移転後の物上代位権行使を肯定した判例の理解に関する覚書〔山木戸勇一郎〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 平成10年判決の理論構造
Ⅲ 大正4年判決の理論構造
Ⅳ 譲受人をめぐる法律関係
Ⅴ 結 語
21 福島県・大玉村など農地原状回復訴訟を巡る諸問題―物権的請求権の現代的適用場面〔吉田邦彦〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 農地原状回復訴訟
Ⅲ 関連裁判例
Ⅳ 若干の考察
◇第3部 各国法制度とわが国の法制度をめぐる検討と再構築◇
22 他人物の不適法な賃貸借と転貸借―所有者の賃貸人,転貸人に対する不当利得返還請求〔藤原正則〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ わが国の判例・学説(他人物の無権限の賃貸)
Ⅲ ドイツの判例・学説(他人物の無権限の賃貸)
Ⅳ ドイツの判例・学説(他人物の無権限の転貸)
Ⅴ お わ り に
23 ウィーン国際物品売買条約における約款の組み入れ要件―ドイツ国内法との比較〔松井和彦〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ ドイツ国内法における組み入れ要件
Ⅲ CISGのもとでの組み入れに関する規範
Ⅳ CISGのもとでの組み入れ要件
Ⅴ 結びに代えて
24 フランス倒産法における合意に基づく経営難予防手続と秘密保持原則〔稻垣美穂子〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ フランス法
Ⅲ お わ り に
25 フランスにおけるCISGの統一的解釈と直接訴権の成否〔岩川隆嗣〕
Ⅰ 本論文の目的
Ⅱ CISGの統一的解釈
Ⅲ フランス国内法における直接訴権
Ⅳ CISGにおける直接訴権の成否
26 環境保全と契約―フランスにおける環境従物債務Obligations réells environnementals制度の創設〔小野寺倫子〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ OREに関する制度の概要
Ⅲ 立法前の学説における制度構想
Ⅳ 日本法への示唆
27 フランスにおける債権担保法制の現在地〔齋藤由起〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 所有移転(債権譲渡)型担保の拡大
Ⅲ 所有移転型担保と伝統型担保の効力
Ⅳ お わ り に
28 消費者契約における透明性の要請と契約内容の確定のあり方に関する序論的考察―フランス消費法における契約条項の透明性の要請と契約解釈のサンクション化の意義〔酒巻修也〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ フランス消費法典における契約条項の透明性の要請
Ⅲ フランス法における消費者契約の内容の確定と評価との関係
Ⅳ お わ り に
29 消費者裁判手続特例法と違法収益の吐き出し〔都筑満雄〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ フランスにおけるグループ訴権と違法収益の吐き出し
Ⅲ 近時の民事責任法改正諸草案に見る制裁ないしは抑止としての損害賠償
Ⅳ お わ り に
30 フランス・グループ訴権の問題点―消費者裁判手続特例法への示唆〔町村泰貴〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ フランスにおけるグループ訴権の現状
Ⅲ グループ訴権の改正提案
Ⅳ 日本の集団的消費者被害回復裁判手続との比較検討
31 ディスカバリーからディスクロージャーへ―民事訴訟法における情報収集の日米比較〔アンドリュー M. パーデック〕
Ⅰ 序 論
Ⅱ アメリカの民事訴訟におけるディスカバリー
Ⅲ 日本の民事訴訟における情報収集
Ⅳ 終 わ り に
32 遺言能力要件の現状と課題―Banks v. Goodfellow事件の再検証〔岩本尚禧〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ Banks事件の意義と問題
Ⅲ Banksテストと認知症
Ⅳ 実務上の課題
Ⅴ お わ り に
33 文化財の譲渡可能性をめぐる理論的考察―近時のアメリカ法学の議論を端緒に〔橋本 伸〕
Ⅰ 序
Ⅱ 文化財の譲渡性を肯定する見解の紹介
Ⅲ 文化財の譲渡性を否定する見解の紹介
Ⅳ 文化財の譲渡性を部分的に制限する見解の紹介
Ⅴ 終 わ り に
34 「異常に危険な活動」についての厳格責任―第3次不法行為法リステイトメント20条の検討〔山本周平〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 第3次不法行為法リステイトメント20条の規律内容
Ⅲ 若干の検討
Ⅳ お わ り に
35 約款におけるブラックホールと約款解釈論〔山本哲生〕
Ⅰ 序
Ⅱ 約款解釈における考慮要素
Ⅲ 約款におけるブラックホールの存在
Ⅳ ブラックホールの解釈
Ⅴ 若干の検討
36 離婚後の面会交流と養育費の確保―スウェーデン法からの示唆〔千葉華月〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ スウェーデンの親族法とコミューンにおける家族支援
Ⅲ 離婚後をめぐる法状況―監護,居所および面会交流
Ⅳ 面 会 交 流
Ⅴ 養 育 費
Ⅵ お わ り に
37 子の出自を知る権利―日台における嫡出推定及び否認制度の比較〔黄 浄愉〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 日本における嫡出推定制度
Ⅲ 台湾における嫡出推定制度
Ⅳ 比 較 法
Ⅴ 結 論
38 国家権力の不法行為(人権侵害)による損害賠償請求権と消滅時効―韓国法から日本の除斥期間の壁を見上げて〔髙 影娥〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 韓国における国家権力による不法行為(人権侵害)に関する主な判例
Ⅲ 強制徴用訴訟
Ⅳ むすびに代えて
39 中国民法典における債権者代位権制度の改正〔龍 俊〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 代位権客体範囲の拡張
Ⅲ 簡易債権回収規則と限定的入庫規則の確立
Ⅳ お わ り に
40 倉庫証券法の国際的統一・現代化と日本法―「倉庫証券に関するモデル法」作成における立法主義の選択〔曽野裕夫〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 倉庫証券の立法主義に関する比較法的動向
Ⅲ 日本における立法主義の変遷と実務
Ⅳ 結 論