刑事捜査法の研究
タイトル | 刑事捜査法の研究 |
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著者 | 緑 大輔 著 |
出版年 | 20220300 |
出版社 | 日本評論社 |
装丁 | A5判 |
ISBN | 9784535526181 |
捜査上の強制処分の規制の在り方について、継続的に研究を続けてきた著者渾身の論文集。
①監視型捜査、②対物的強制処分、③逮捕勾留、③参考人からの供述採取の4つの領域にかかわる論文を中心に、近時の議論状況に関連する業績を収録。刑事捜査法にかかわる古典的な問題と現代的な問題の双方を切り結び、捜査法の新たな視点を提示する。
第1編 法定主義と監視型捜査
[1]捜査法における明文規定の必要性とその規律の密度
[2]監視型捜査における情報取得時の法的規律
[3]監視型捜査と被制約利益――Jones判決を手がかりとして
[4]監視型捜査――最高裁大法廷平成29年3月15日判決を受けて
第2編 対物的強制処分と令状主義
[5]刑事手続上の対物的処分における権利・利益の帰属と強制処分性
[6]令状による捜索の範囲――最高裁平成19年2月8日第一小法廷決定
(刑集61巻1号1頁)
[7]物的証拠収集の新たな手段――「通信・会話傍受等」をめぐって
[8]合衆国における逮捕に伴う無令状捜索――Chimel判決以降の展開
[9]逮捕に伴う対物的強制処分――緊急処分説の展開
[10]逮捕に伴う電子機器の内容確認と法的規律
――Riley判決を契機として
[11]捜査機関による緊急性・必要性の作出と令状主義
――刑事訴訟法220条1項の場合
[12]刑事手続における遺留物の領置
――合衆国における「放棄された財物(abandoned effects)」
[13]刑事手続における遺留物の領置・再論
――敷地内のごみ容器・ごみ集積所からの領置
第3編 被疑者の身体の拘束
[14]逮捕前置主義の意義とその展開
[15]勾留における「罪証隠滅を疑うに足りる相当な理由」
[16]「被疑者・被告人の身柄拘束の在り方」をめぐって
[17]被疑者・被告人の身体拘束――特別部会の調査審議の結果をうけて
[18]弁護人等との外部交通と施設担当者の義務
[19]被告人の釈放と電子監視――アメリカの制度と日本への示唆
第4編 参考人からの供述の採取
[20]参考人としての取調べと黙秘権の保障
――東京高裁平成22年11月1日判決
(判タ1367号251頁、東高刑時報61巻1-12号274頁)
[21]刑事手続における司法面接結果の録音録画媒体の使用
――いわゆる代表者聴取を中心として
第5編 捜査に対する法学の機能
[22]捜査構造論
[23]刑事訴訟法学と実務――刑事訴訟法学の「守備範囲」をめぐって
[24]鈴木茂嗣博士の刑事捜査法理論の構造