業種別会計シリーズ 電力業 三訂版
タイトル | 業種別会計シリーズ 電力業 三訂版 |
---|---|
著者 | EY新日本有限責任監査法人 電力・ユーティリティセクター 編 |
出版年 | 20220303 |
出版社 | 第一法規 |
装丁 | A5判 |
ISBN | 9784474076341 |
○電力業に特化し、業界特有の会計実務・監査上の重要ポイント、税務、経営分析等について詳解
○「収益認識基準」やIFRS の新基準、監査上の主要な検討事項(KAM)に対応
○複雑な電力業界特有の会計実務を豊富な設例や図表を用いてわかりやすく解説!
目次
●第1章 電気事業とは
第1節 電気事業の概要
1 電気事業の定義
2 電気事業の概要
(1) 小売電気事業
(2) 一般送配電事業
(3) 送電事業
(4) 特定送配電事業
(5) 発電事業
3 電力小売市場の概要
(1) 電力小売市場の区分
(2) 電灯と電力
(3) 小売市場以外の電力取引市場
第2節 沿革
1 創成期:電気事業の創業(明治)
2 発展期:五大電力会社の形成(明治後期~昭和初期)
3 国家統制期:国家管理体制の成立(第二次世界大戦)
4 戦後:電力再編成(戦後)
5 現在;自由化時代(平成~)
(1) 1995(平成7)年改正
(2) 2000(平成12)年改正
(3) 2005(平成15)年改正
(4) 電力システム改革(平成27年~)
(5) 自由化の状況
(6) 電力事業全体の市場規模
6 発電の歴史
(1) 水主火従
(2) 火主水従
(3) 石油火力依存の見直し・電源の多様化
7 現在そして未来(令和~)
(1) 脱炭素
(2) 再生可能エネルギー
(3) 新技術
第3節 ビジネスモデルとサプライチェーン
1 経営環境の変化がビジネスモデルに与える影響
(1) エネルギーシステム改革
(2) 2050年カーボンニュートラル実現に向けた取組み
2 長期計画と電力広域的運営推進機関
3 資金調達
4 燃料調達
(1) 石炭
(2) 石油
(3) LNG
(4) 水素・アンモニア
5 発電
(1) 水力発電
(2) 火力発電
(3) 原子力発電
(4) 新エネルギー等発電
6 電力調達
7 流通
(1) 送電
(2) 変電
(3) 配電
第4節 規制・関連法令、規制当局
1 電気事業法
(1) 事業に対する規制
(2) 業務に対する規制
(3) 会計に対する規制
(4) その他の規制
2 原子力規制
(1) 原子力規制の概要
(2) 原子力規制の転換と適合性審査
3 その他の関連法令
4 管轄官庁
5 電気事業会計規則
●第2章 電気料金
第1節 電気料金の概要
1 電気事業の特性
(1) 公益事業であること
(2) 設備産業であること
2 2つの特性から導かれる電気料金の基本的性質
第2節 自由化料金
1 電力自由化の経緯
2 小売全面自由化に伴う制度改革
(1) 地域独占の撤廃とその影響
(2) 多様な小売料金メニュー
3 みなし小売電気事業者に対する部門別(規制料金・自由料金部門別)収支の開示
第3節 規制料金
1 規制料金の種類
2 規制料金の特色
(1) 規制料金の透明性
(2) 規制料金の公平性
(3) 政府の認可料金
3 具体的算定方法
(1) 総括原価主義
(2) 個別原価主義
(3) 各種料金算定規制と料金改定
(4) ヤードスティック査定
(5) 選択約款
(6) 託送料金制度改革
第4節 電気料金のその他の要素
1 燃料費調整制度
(1) 燃料費調整制度の概要
(2) 燃料費調整制度の仕組み
2 電源構成変分認可制度
3 再生可能エネルギー発電促進賦課金
(1) 再生可能エネルギー発電促進賦課金の概要
(2) 再生可能エネルギー発電促進賦課金の仕組み
●第3章 会計処理と内部統制の傾向
第1節 販売
1 販売プロセスと内部統制
(1) はじめに
(2) 電気の販売プロセスと内部統制
(3) 託送収益
2 会計処理
(1) 概要
(2) 収益の認識と測定
(3) 収益認識会計基準の影響
3 監査上の着眼点
第2節 新たな市場取引
1 卸電力市場
2 ベースロード市場
3 容量市場
4 需給調整市場
5 非化石価値取引市場
6 間接送電権
7 電力先物市場
第3節 固定資産
1 総論
(1) 電気事業固定資産
(2) 附帯事業固定資産
(3) 事業外固定資産
(4) 固定資産仮勘定
(5) 核燃料
(6) 投資その他の資産
2 建設仮勘定
(1) 特徴
(2) 会計処理
3 電気事業固定資産
(1) 特徴
(2) 会計処理
4 減価償却費
(1) 特徴
(2) 会計処理
5 除却仮勘定
(1) 特徴
(2) 会計処理
6 無形固定資産
(1) 地役権
(2) 共同溝利用権
7 その他
(1) 資本的支出と収益的支出
(2) 取替法
(3) 資産除去債務
(4) 減損会計
(5) 太陽光発電の廃棄等費用の外部積立義務化
8 固定資産に関連する不正リスクと内部統制
(1) 固定資産に関連する不正リスク
(2) 建設仮勘定に特徴的なリスク・内部統制
第4節 発電燃料
1 発電用燃料の種類と推移
(1) 火力発電
(2) 再生可能エネルギー
2 発電用燃料の調達コスト
(1) 燃料の契約形態
(2) 価格決定方式の特徴
(3) 石油石炭税
3 取引フローおよび会計処理
(1) 調達
(2) 消費
(3) 棚卸
4 監査上の着眼点
(1) 仮単価による会計処理
(2) 燃料デリバティブの処理
第5節 原子力発電
1 取引の概要
(1) 原子力発電の概要
(2) 核燃料の特徴と原子燃料サイクル
(3) フロント・エンド
(4) 発電
(5) バック・エンド
(6) 原子炉の廃止等
2 会計と内部統制
(1) 核燃料勘定に整理される範囲について
(2) フロント・エンド
(3) 発電
(4) バック・エンド
(5) 廃炉会計制度
(6) 廃炉円滑化負担金
(7) 原子力損害賠償
第6節 営業費用
1 概要
2 業種特有の勘定科目
(1) 電気事業営業用共通の項目
(2) 地帯間購入電力料
(3) 他社購入電力料
(4) 送電費
(5) 配電費
(6) 販売費・一般管理費
(7) その他
3 内部統制と不正リスク
4 監査上の着眼点
5 その他
第7節 資金調達
1 資金調達の必要性
2 電力業における資金調達手段
(1) 銀行借入れ
(2) 社債発行
(3) CP発行
(4) グリーンボンド(環境債)発行
3 内部統制と不正リスク
4 監査上の着眼点
5 表示・開示のポイント
(1) 貸借対照表注記
(2) 金融商品の時価等の開示
(3) その他
第8節 特別法上の引当金
1 渇水準備引当金
2 原子力発電工事償却準備引当金
第9節 業種特有の表示
1 貸借対照表
(1) 固定資産配列法
(2) 固定資産の区分
(3) 引当金の部
2 損益計算書
(1) 勘定式
(2) 営業損益の区分
(3) 特別法上の引当金の引当てまたは取崩しの額
第10節 IFRSにおける論点
1 IFRSの概要
2 日本の状況
3 電気事業におけるIFRS適用上の主要な論点
4 有形固定資産
(1) 取替資産
(2) 減価償却
(3) 資産除去債務
(4) 定期検査費用
(5) 圧縮記帳
5 無形資産
6 リース
7 借入コストの資産化
8 金融商品
(1) 非金融商品項目の売買契約
(2) その他の有価証券
9 引当金
10 収益認識
(1) 検針日基準の代替的な取扱い
(2) 契約履行コスト
11 サービス委譲契約
12 規制資産および規制負債
13 連結財務諸表
(1) 共同契約
(2) 会計方針の統一
(3) 決算日が異なる場合の取扱い
(4) みなし取得・売却
14 開示
●第4章 電気事業に係る税務
第1節 電気事業における税務の概要
1 電気事業における税金の概要
2 電力会社の租税公課の構成割合
第2節 電気事業における法人税の課税所得計算の特色
第3節 電気事業特有の税制
1 電源開発促進税
2 事業税
3 核燃料税
第4節 電気事業における税効果会計
1 税効果会計の概要
2 法定実行税率
3 繰延税金資産の回収可能性
4 電気事業における税効果会計
第5節 グループ通算制度
1 連結納税制度
2 グループ通算制度とは
(1) 個別申告方式
(2) 損益通算・税額調整等
3 グループ通算制度の適用
4 グループ通算制度の適用範囲
5 グループ通算制度の適用開始・加入時の留意点
(1) 時価評価
(2) 適用開始前の繰越欠損金の取扱い
6 電気事業におけるグループ通算制度
●第5章 監査
第1節 会計監査の種類
1 会計監査の目的
2 監査の種類
3 制度による分類
(1) 法定監査(法令等に基づく監査)
(2) 任意監査
第2節 会社法監査
1 会社の機関
2 会社が作成すべき書類と会計監査
第3節 金融商品取引法監査
1 財務諸表監査
2 内部統制監査
(1) 内部統制とは
(2) 内部統制監査
(3) 会社法における内部統制と監査
第4節 特別目的監査
1 電力自由化の流れ
2 部門別収支計算書および送配電部門収支計算書等制度の導入趣旨
3 部門別収支計算書および送配電部門収支計算書等の概要
(1) 部門別収支計算書
(2) 送配電部門収支計算書等
4 部門別収支計算書および送配電部門収支計算書等に係る特別目的監査
(1) 部門別収支計算書に関する証明書
(2) 送配電部門収支計算書等に関する証明書
5 超過利潤計算書等に関する証明書
第5節 内部監査
1 内部監査の定義
2 内部監査の機能
3 内部監査の実施
第6節 業種特有の事象に関する監査の着眼点
1 全体の特徴
2 全社的な内部統制
3 貯蔵品(燃料費)
4 税効果会計
5 監査上の主要な検討事項(KAM)
●第6章 経営分析
第1節 経営指標
1 電力業界の特徴
2 収益性の観点からの分析
3 安全性の観点からの分析
4 その他の観点
第2節 予算管理
1 予算の策定
(1) 長期計画の策定
(2) 単年度予算の策定
2 予算の変動を生じさせるリスクとその緩和要因
(1) 小売分野における全面自由化
(2) 燃料価格の変動と燃料費調整制度
(3) 金利水準の変動と固定金利による資金調達
(4) 気候変動と自然災害
3 原子力発電所の再稼働遅延と予算
4 カーボンニュートラルの実現と予算
第3節 電力業におけるESG課題への取組みと開示
1 ESG課題に関する情報開示
(1) 情報開示の枠組み
(2) マテリアリティ(ESG課題)の特定
(3) ESG課題としての脱炭素への取組み
2 ESG課題に関する財務・非財務の情報開示
(1) 財務情報との関係
(2) 財務情報の開示におけるESG要素
(3) ESG評価による企業価値の財務情報への反映
(4) TCFD提言に沿った開示
(5) ESG要素を勘案した投資判断を可能とするための情報開示
3 資金調達とESG