マネー・ローンダリング 反社会的勢力対策ガイドブック 改訂版
―2021年金融庁ガイドライン等への実務対応―

602799
商品コード : 602799
タイトルマネー・ローンダリング 反社会的勢力対策ガイドブック 改訂版
サブタイトル―2021年金融庁ガイドライン等への実務対応―
著者白井真人 芳賀恒人 渡邉雅之 著
出版年20220117
出版社第一法規
装丁A5判
ISBN9784474076686
マネー・ローンダリング 反社会的勢力対策ガイドブック 改訂版
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(1)マネロンを始めとした反社勢力への企業実務対応に精通した専門家が書いた解説集の第4弾。2021年8月30日に公表された第4次対日相互審査報告書(MER)に対応。
(2)反社勢力といった、普通の企業では対応が困難な事案を、現在国が求める対応に沿って実践的に解説。2021年金融庁ガイドライン改正等の最新の動きを反映。
(3)金融機関だけではなく、事業会社も対応しなくてはならないマネロン・反社勢力への対応を基礎から、法規制・必要な態勢整備について確実に理解が深められる唯一の書。

 

目次

第1章(白井真人)

マネー・ローンダリング対策の基礎

1. 「マネー・ローンダリング」とは何か
(1)マネー・ローンダリングの定義
(2)マネー・ローンダリングの方法

ア 金融機関を介した資金洗浄
イ 商取引を介した資金洗浄
ウ クレジットカード取引
エ 暗号資産(仮想通貨)
オ 不動産取引
カ マネー・ローンダリングの3段階
① 「プレースメント」
② 「レイヤリング」

③ 「インテグレーション」
キ 国内で発生したマネー・ローンダリングの事例(五菱会事件)
ク 国境を越えて行われたマネー・ローンダリング事犯
2. マネー・ローンダリング対策の概要
(1)マネー・ローンダリング対策の枠組み
ア マネー・ローンダリング対策の目的
イ マネー・ローンダリングとテロ資金供与
ウ 金融機関等の事業者とマネー・ローンダリング対策
エ 金融機関等にとってのマネー・ローンダリング対策の難しさ
(2)マネー・ローンダリング対策の法規制
ア マネー・ローンダリング対策における金融機関等の法的義務(ハードロー)
イ 法律以外の規制(ソフトロー)
3. マネー・ローンダリング対策の不備によるリスク
(1)マネー・ローンダリング対策に取り組むべき理由
(2)マネー・ローンダリング対策の不備にともなう海外での処分事例
ア HSBCのケース
イ スタンダードチャータード銀行のケース
ウ BNPパリバ銀行のケース
4. マネー・ローンダリング防止に係る国際的枠組み
(1)国際的なマネー・ローンダリング対策の歴史
(2)FATF(金融活動作業部会)とは
ア FATFの概要とその位置付け
イ FATF勧告の概要
① 勧告1「リスクの評価及びリスクベース・アプローチの適用」
② 勧告10「顧客管理」
③ 勧告11「記録の保存」
④ 勧告12「PEP」
⑤ 勧告13「コルレス取引」
⑥ 勧告14「資金移動業」
⑦ 勧告15「新しい技術」
⑧ 勧告16「電信送金のルール」
⑨ 勧告17「顧客管理の第三者依存」
⑩ 勧告18「内部管理、外国の支店及び子会社」

⑪ 勧告19「リスクの高い国」
⑫ 勧告20「疑わしい取引の届出」
⑬ 勧告21「内報及び秘匿性」
⑭ 勧告22「DNFBPs:顧客管理」
⑮ 勧告23「DNFBPs:その他の措置」
⑯ 勧告24「法人の透明性及び真の受益者」
⑰ 勧告25「法的取極めの透明性及び真の受益者」
ウ 相互審査
(3)FATFの第4次相互審査
ア 法令等整備状況の審査
イ 有効性の審査
5. 日本のマネー・ローンダリング対策に関する国際的な評価
(1)第4次FATF対日相互審査(2019年)以前
ア 2008年第3次FATF対日相互審査
イ 第3次審査結果のフォローアップと改善勧告
(2)第4次相互審査の結果と今後の展望

ア 2019年第4次FATF対日相互審査のスケジュール
イ 審査結果の概要と対応計画
① 法令等整備状況(TC)の審査結果
② 有効性(Effectiveness)の審査結果
ウ 想定される今後のフォローアップ・プロセス
① 審査結果を踏まえたフォローアップ・プロセス
② 財務大臣談話と行動計画

第2章(渡邉雅之)

我が国におけるマネー・ローンダリング対策

1. 国内の関連法規制整備の経緯
(1)犯罪収益移転防止法制定以前の動き
ア 大蔵省銀行局長による要請・通達(平成2(1990)年7月)
イ 麻薬特例法の施行(平成4(1992)年7月)
ウ 組織的犯罪処罰法の施行(平成12(2000)年2月)
エ テロ資金提供処罰法及び改正組織的犯罪処罰法の施行(平成14(2002)年7月)
オ 改正外為法の施行(平成15(2003)年1月)
カ 本人確認法の施行(平成15(2003)年1月)
(2)犯罪収益移転防止法の制定(平成20(2008)年3月)
ア 制定の経緯
イ 法令の概要
① 「特定事業者」の範囲
② FIUの移管
③ 特定事業者が行う措置の整理
(3)犯罪収益移転防止法の改正(平成25(2013)年4月)
ア 改正の経緯
イ 改正の概要
① 本人確認から「取引時確認」への変更
② 特定事業者によるマネー・ローンダリング防止態勢の整備、継続的顧客管理の実施を規定(努力義務)
(4)犯罪収益移転防止法の再改正(平成28(2016)年10月)
ア 制定の経緯
イ 法令の概要
① 疑わしい取引の届出に関する判断の方法に関する規定の整備
② コルレス契約締結時の厳格な確認の義務付け
③ 特定事業者が行う体制整備等の努力義務の拡充
④ 顧客管理を行う上で特別の注意を要する取引に対する取引時確認の実施
⑤ 敷居値以下に分割された取引に対する取引時確認の実施
⑥ 外国PEPsとの取引の際の厳格な取引時確認の実施
⑦ 顔写真のない本人確認書類に係る本人確認方法の改正
⑧ 実質的支配者に関する規定の改正
⑨ 取引担当者の代理権等の確認方法の改正
⑩ 公共料金等を現金納付する際の取引時確認の簡素化
2. マネー・ローンダリング防止に関する法的枠組み
(1)マネー・ローンダリング行為自体に対する処罰
ア 関連する法律
イ マネー・ローンダリングの犯罪類型(隠匿・収受)
ウ 前提犯罪及び犯罪収益について
(2)金融機関等の事業者に対する法律
ア 犯罪収益移転防止法
① 規制の対象と法令上の義務
イ 外国為替及び外国貿易法
ウ 国際テロリスト財産凍結法

3. その他のガイドライン等
(1)マネロン・テロ資金供与対策ガイドライン
ア ガイドラインの制定
イ ガイドラインの改正
(ア)リスクベース・アプローチに関する改正
① リスクの特定
② リスクの評価
③ リスクの低減
④ 海外送金等を行う場合の留意点
(イ)ガバナンス・管理態勢に関する改正
① マネロン・テロ資金供与対策に係る方針・手続・計画等の策定・実施・検証・見直し(PDCA)(ガイドラインIII-1)
② 経営陣の「主導的」な関与
③ 職員の確保、育成等
(2)監督指針
(3)金融検査マニュアルの廃止
(4)金融行政方針 86
(5)「外国為替検査ガイドライン」の制定
(6)「犯罪収益移転危険度調査書」

第3章(渡邉雅之)

犯罪収益移転防止法の概要

1. 犯収法の仕組み

2. 特定事業者
3. 特定業務と特定取引
4. 犯収法の取引時確認義務
(1)通常の特定取引

(2)高リスク取引
(3)特定取引のうち取引時確認済の取引
(4)敷居値以下の取引
(5)簡素な顧客管理が許容される取引(旧法では「犯罪による収益の移転に利用されるおそれがない取引」)
(6)国等に対する取引時確認
(7)取引時確認を第三者に委託する方法
ア 他の特定事業者に委託して行う金融関係の特定取引で当該他の特定事業者が他の特定取引の際に既に取引時確認を行っている顧客との間で行うもの(令13条1項1号)
イ 口座振替またはクレジットカードを使用する方法により決済される場合における取引時確認の特例(規則13条1項1号または2号)
ウ 上記イの方法により顧客等の取引時確認を行った他の特定事業者に委託して行う取引について、上記アの方法を適用することについて
エ 資金移動業者の決済サービスを通じた銀行口座からの不正出金に関する対応
5. 平成28(2016)年10月施行の改正で追加された特定取引
(1)顧客管理を行う上で特別の注意を要する取引
ア 改正の背景(令7条1項、規則5条)
イ 内容
(ア)疑わしい取引(規則5条1号)
(イ)同様の取引の態様と著しく異なる態様で行われる取引(規則5条2号)
ウ 適用場面
エ 疑わしい取引の届出との関係
オ 統括管理者の確認・承認
(2)明らかに敷居値以下に分割された取引(規則5条2号)
ア 改正の背景
イ 内容
ウ 判断方法
エ 適用場面
6. 簡素な顧客管理を行うことが許容される取引
(1)改正の背景
(2)平成28(2016)年10月施行の改正後の犯収法における取扱い
(3)公共料金・入学金等を現金納付する際の取引時確認の簡素化
ア 平成28(2016)年10月施行の犯収法の改正による取引の追加
イ 犯罪収益移転危険度調査書における評価
ウ 10万円超の公共料金の現金納付
エ 10万円超の入学金等の現金納付
(4)明らかに簡素な顧客管理を行うことが許容される取引に分割した取引
(5)判決等による保険金の支払いの場合の留意点
(6)「簡素な顧客管理(SDD)」と「簡素な顧客管理を行うことが許容される取引」の相違
7. 本人特定事項の確認
(1)本人特定事項
(2)本人確認書類と本人特定事項の確認方法
ア 自然人の本人確認書類・本人特定事項の確認方法
イ 法人の本人確認書類・確認方法
ウ 本人限定受取郵便・受取人確認サポートによる本人特定事項の確認
エ 電子署名による本人特定事項の確認
(ア)自然人
(イ)法人
オ オンラインで完結する本人特定事項の確認(eKYC)
(ア)制度導入の背景
(イ)オンラインで完結可能な本人確認方法
① 個人顧客向け

② 法人顧客向け
(ウ)「写真付き本人確認書類の画像」+「容貌の画像」を用いた方法(規則6条1項1号ホ)
➀ 概要
② 特定事業者が提供するソフトウェア
③ 本人確認用画像情報
④ 顧客の容貌の画像情報
⑤ 本人確認書類の撮影方法(厚みその他の特徴等)
⑥ 「本人確認書類の真正性」・「容貌の画像と本人確認書類に貼り付けられた写真の画像が同一人物であること」の確認
⑦ 確認記録
(エ)「写真付き本人確認書類の画像」+「容貌の画像」を用いた方法
(規則6条1項1号ヘ)
➀ 概要
② 写真付き本人確認書類のICチップ情報
(オ)「本人確認書類の画像又はICチップ情報」+「銀行等への顧客情報の
照会」を用いた方法(規則6条1項1号ト(1))
➀ 概要
② 本人確認用画像情報として想定される本人確認書類
③ 確認可能な特定取引の種類
④ 想定される方法
⑤ 他の特定事業者(銀行等又はクレジットカード会社)
(カ)「本人確認書類の画像又はICチップ情報」+「顧客名義口座への振込み」を用いた方法(規則6条1項1号ト(2))
➀ 概要
② 当該顧客等の預貯金口座
③ 本人確認済みの特定取引
④ 金銭の振込み
⑤ 当該振込みを特定するために必要な事項が記載された預貯金通帳の写し又はこれに準ずるもの
⑥ 確認事項
(キ)「公的個人認証サービスの署名用電子証明書(マイナンバーカードに記録された署名用電子証明書)」を用いた方法(規則6条1項1号ワ)
(ク)「民間事業者発行の電子証明書」を用いた方法(規則6条1項1号ヲ・カ)
(ケ)法人の新たな本人確認方法(規則6条1項3号ロ・ハ)
➀ 登記情報提供サービス・法人番号公表サイトを利用する方法
② 登記情報の送信(登記情報提供サービスを利用する方法)
③ 転送不要郵便等による取引関係文書の送付の要否(登記情報提供サービス・法人番号公表サイトを利用する方法)
カ 現行の個人の非対面の本人確認方法の厳格化
(ア)転送不要郵便を送付する方法
(イ)本人限定受取郵便を送付する方法
キ 本人確認書類に記載されている住居等が現在のものでないとき又は住居等の記載がないとき(補完書類)
(3)顔写真付きでない本人確認書類の取扱いの厳格化
ア 改正の背景
イ 改正内容
ウ 実務上の問題点
エ 「写真付きでない身分証明書を用いる顧客」の危険度
(4)本人確認書類と告知制限事項
ア 個人番号カード
イ 住民票の写し
ウ 法人番号通知書面
エ 基礎年金番号
オ 健康保険証
(ア)健康保険証等の「被保険者等記号・番号等」の告知要求制限がなされる背景
(イ)告知要求制限の具体的内容
(ウ)本人確認等のために被保険者証の提示等を求める際の留意事項
(エ)健康保険証のQRコード(※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標)
(オ)確認記録への記録事項
カ 各種本人確認書類の利用の際の留意点
① 機微(センシティブ)情報の取扱い
② 本人確認書類の有効期間
(5)2020年旅券の取扱い
(6)代表者等の本人特定事項の確認
8. 代表者等が顧客等のために特定取引等の任に当たっていると認められる事由
(1)概要
(2)代理権の確認の際の留意点
ア 任意代理人による取引
イ 親権者による取引
ウ 法人の取引担当者の確認
(3)FATF第4次対日相互審査報告書における評価
9. 取引を行う目的の確認
(1)確認事項
(2)確認方法
(3)「取引を行う目的」の類型
(4)実務対応上の留意点
10.職業・事業内容の確認
(1)確認事項
(2)確認方法
(3)「職業」「事業の内容」の分類
ア 「職業」の分類
イ 「事業の内容」の分類
ウ 留意事項で示された「職業・事業内容」の類型
11.実質的支配者の本人特定事項の確認
(1)平成28(2016)年10月施行の改正前の犯収法における実質的支配者の本人特定事項の確認
(2)改正前の問題点・第3次対日相互審査におけるFATFの指摘
(3)平成28(2016)年10月施行の改正後の犯収法における実質的支配者の定義
ア 顧客が資本多数決法人の場合
イ 顧客が資本多数決法人以外の法人の場合
(4)確認事項
(5)実質的支配者の確認方法

(6)厳格な取引時確認を行う場合の実質的支配者の確認方法
(7)確認記録への記載
(8)FATF第4次対日相互審査報告書
ア 報告書の評価
イ 公証人による定款認証の際の実質的支配者の確認
ウ 商業登記所における実質的支配者情報一覧の保管
エ 既存顧客の実質的支配者の確認
12.高リスク取引についての厳格な取引時確認
(1)厳格な取引時確認を要する高リスク取引の種類
(2)確認方法
ア 二段階の高リスク取引
イ 通常の特定取引の確認方法との比較
ウ 本人特定事項の確認方法(規則14条1項)
エ 法人の実質的支配者の有無・本人特定事項の確認(規則14条3項)
オ 資産及び収入の状況の確認
(ア)確認が必要な場面
(イ)確認方法
カ 統括管理者等による確認・承認
キ マネロン・テロ資金供与対策ガイドラインにおける厳格な顧客管理措置(EDD)
ク 取引の謝絶
(3)外国PEPsである顧客等との間で行う特定取引
ア 改正の背景
イ 犯罪収益移転危険度調査書
ウ 外国PEPsに該当する者
エ 外国PEPsであるか否かの確認方法
(ア)確認方法の種類
(イ)申告と商業用データベースは相互補完関係
① 申告の長所
② 申告の課題
③ 商業用データベースの長所
④ 商業用データベースの課題
(ウ)申告と商業用データベースの導入パターン
① 申告のみ 188
② 申告+商業用データベース(外国PEPsであると申告を受けた場合のみ商業用データベースで照合)

③ 申告+商業用データベース(申告と共に商業用データベースの照合を行う)
④ 申告+商業用データベース(商業用データベースでヒットした顧客についてのみ申告を受ける)
⑤ 商業用データベースのみ
(エ)商業用データベースを活用して確認する方法の論点
① 商業用データベースのみの活用は許されるか
② 日本居住の外国PEPsに限定した商業用データベースによる照合でも許されるのか
(オ)顧客等に申告を求める方法
(カ)約款・契約書における規定
オ 確認記録への記録
カ FATF第4次対日相互審査報告書
13.確認記録の作成・保存
14.取引記録等の作成・保存
15.疑わしい取引の届出
(1)疑わしい取引の届出をすべき場合(法8条1項)
ア 特定業務に係る取引について、当該取引において収受した財産が犯罪による収益である疑いがあると判断した場合
イ 顧客等が特定業務に関し組織的犯罪処罰法10条の罪もしくは麻薬特例法6条の罪に当たる行為を行っている疑いがあると判断した場合
(2)疑わしい取引の届出の判断基準(法8条2項)
ア 平成28(2016)年10月前の判断基準
イ 平成28(2016)年10月以降の判断基準
(ア)共通の判断基準
(イ)新規顧客との特定業務に係る取引
(ウ)既存顧客との特定業務に係る取引
(エ)特定業務に係る高リスク取引
① 特定業務に係る高リスク取引の内容
② 判断方法
(オ)マネロン・テロ資金供与対策ガイドラインで求められるリスク低減措置としての疑わしい取引の届出
(3)届出様式
(4)内報の禁止
(5)国家公安委員会への通知
(6)FATF の第4次対日相互審査報告書
16.取引時確認等を的確に行うための措置
(1)取引時確認をした事項に係る情報を最新の内容に保つための措置(法11条前段)
ア 犯収法上求められる措置
イ マネロン・テロ資金供与対策ガイドラインで求められる「リスクの低減」のための「継続的な顧客管理」
(2)内部管理体制の整備義務(法11条後段)
ア 改正の背景
イ 内容
(3)外国子会社・外国所在営業所の体制整備(法11条4号、規則32条2項)
ア 内容
イ グループベースの管理態勢(マネロン・テロ資金供与対策ガイドライン)
① 対応が求められる事項
② グループの範囲・海外拠点
③ 金融機関に適用される情報共有規制との関係
17.コルレス契約締結に際して行う確認義務・コルレス先と取引を行う際の体制整備義務
(1)コルレス契約締結に際して行う確認義務等(法9条)
(2)コルレス先と取引を行う際の体制整備義務(法11条4号、規則32条4項)
(3)金融機関等における送金取引等についての確認事項等について
(4)マネロン・テロ資金供与対策ガイドライン
(5)監督指針
18.犯罪収益移転危険度調査書の作成・公表

第4章(白井真人)

リスクベース・アプローチとリスクの特定・評価・低減
1. リスクベース・アプローチとは何か
2. AML/CFTにおけるリスクベース・アプローチ
(1)AML/CFTにおけるリスクベース・アプローチ
(2)FATF勧告におけるリスクベース・アプローチの仕組み
ア リスクの評価
イ リスクの管理・低減
3. 日本国内におけるリスクベース・アプローチ
(1)犯罪収益移転防止法における規定
(2) マネロン・テロ資金供与対策ガイドラインにおけるリスクベース・アプローチ
ア リスクの特定
イ リスクの評価
ウ リスクの低減
エ リスクの特定・評価・低減とAML/CFT管理態勢
4. リスクベース・アプローチの実務
(1) リスクベース・アプローチの3つの段階(実務上のフレームワーク)
(2) リスクの特定
ア リスクの特定に関するガイドライン上の要件
イ リスクの特定のための情報源(NRAなど)
ウ 自社の分析を踏まえた「リスクの特定」
(3)リスクの評価(リスク要素の評価)
ア リスクの評価に関するガイドライン上の要件
イ 商品・サービスの性質によるリスク
ウ 取引形態によるリスク
エ 国・地域リスク(地理的なリスク)
① 国・地域リスク
② その他の地理的リスク
オ 顧客の属性によるリスク
① NRAにおける「顧客属性リスク」の整理
② 外国の重要な公的地位を有する者(外国PEPs)

③ 職業・ビジネスの種別によるリスク
カ リスクの低い取引
(4)各種のリスクの評価手法
ア (組み合わせによる)リスク評価の手法とは
イ 顧客リスク評価
① 顧客リスク評価の概要
② 顧客ごとのリスク評価(顧客リスク格付)
③ 顧客類型ごとのリスク評価
ウ 全社的リスク評価
エ ビジネスライン/グループリスク評価
① ビジネスライン/グループリスク評価の概要
② 評価単位
③ 評価実施上の留意点
④ 評価の実施方法
オ OFAC(制裁)リスク評価
(5)リスクの低減(リスク評価の活用方法)
(6)リスク評価の文書化

第5章(白井真人)

リスク低減措置とAML/CFT態勢の整備
1. AML/CFT態勢態勢の整備に関する規制・ガイドライン
(1)AML/CFTプログラムとは
(2)FATF勧告、バーゼル・コア・プリンシプルにおけるAML/CFTプログラムの要件
ア FATF勧告18

イ バーゼル委員会 コア・プリンシプル
(3)日本国内の法規制で求められる態勢整備
ア マネロン・テロ資金供与対策ガイドライン
イ 犯罪収益移転防止法
ウ 金融庁監督指針
2.「リスク低減措置」に関する態勢整備
(1)顧客管理(カスタマー・デュー・ディリジェンス:CDD)

ア CDDに関するガイドライン等の要件
イ KYC/CDD の全体像(三段階) 347
① 本人確認 347
② カスタマー・デュー・ディリジェンス(CDD)
③ エンハンスド・デュー・ディリジェンス(EDD)
ウ 顧客受入・管理方針
エ 継続的な顧客管理
① 犯収法における「継続的顧客管理」
② マネロン・テロ資金供与対策ガイドラインの「継続的顧客管理」の仕組み
③ ピリオディック(定期的)・レビュー
④ イベントベース・レビュー
オ 簡素な顧客管理(SDD)

カ 顧客との取引の制限・解消
(2)取引モニタリング・フィルタリング
ア 取引モニタリング・フィルタリングに関するガイドライン等の要件
イ 取引モニタリング

① マネロン・テロ資金供与対策におけるモニタリングの考え方
② 取引モニタリングの目的とモニタリング基準
③ ソフトウェアによる監視/職員による監視
ウ フィルタリング
① マネロン・テロ資金供与対策におけるフィルタリング(リスト・スクリーニング)の必要性
② フィルタリングに関する規制上の要件
③ フィルタリングの実施方法
(3)記録の保存
ア 記録の保存に関するガイドライン等の要件
イ 記録の保存に関する検討ポイント

(4)疑わしい取引の届出
ア 疑わしい取引の届出に関するガイドライン等の要件
イ 疑わしい取引の検知方法
ウ 疑わしい取引の調査
エ 「疑わしい取引」該当性の判断基準
オ その他、疑わしい取引の届出に関して留意すべき事項
① 届出の適時性(届出までに要する期間)
② 届出後の顧客リスク評価の見直し
③ 届出内容の分析と低減措置の見直し
④ 内報の禁止
(5)IT システムの活用
ア ITシステムの活用に関するガイドライン等の要件
イ マネロン・テロ資金供与対策ソフトウェアの機能
ウ 顧客情報管理(CDD/KYC)
① 文書管理
② 顧客リスク格付
エ 取引モニタリング
① 「ルールベース」の検知ロジック
② 「プロファイリング」
オ フィルタリング(リスト・スクリーニング)
カ ケースマネジメント
キ レポーティングシステム導入を検討する際に留意すべきポイント
① 適切な導入計画の検討・業務要件の決定
② ITシステムの有効性検証とチューニングの実施
③ 外部委託・共同システムの利用
(6)データ管理(データ・ガバナンス)
ア データ管理に関するガイドライン等の要件
イ データの把握・蓄積に関する留意点
ウ データ活用の定期的な検証における留意点
(7)海外送金等を行う場合の留意点
ア 海外送金に関するガイドライン等の要件
イ 海外送金の管理に関する実務上の留意点
ウ 輸出入取引等に係る資金の融通及び信用の供与等に関するガイドライン等の要件
エ 輸出入取引等に係る資金の融通及び信用の供与等に関する実務上の留意点
(8)FinTech等の活用 384
ア FinTech の利用に関するガイドライン等の要件
イ FinTech の活用事例
3.その他の管理態勢整備と有効性の検証・見直し
(1)方針・手続・計画等の策定・実施・検証・見直し(PDCA)
ア PDCAに関するガイドライン等の要件

イ 方針・手続の策定
① 方針・手続の策定に関する要件
② 文書の階層化と承認権限

ウ 計画の策定・実施
① 整備計画の策定・実施
② 年次計画の策定・実施
エ 検証・見直し
オ 専担部室の設置
(2)経営陣の関与・理解
ア 経営陣の関与・理解に関するガイドライン等の要件
イ 経営陣の関与・理解に関する留意点
① AML/CFT責任者の任命
② 経営陣の具体的な関与方法
(3)経営管理(3つの防衛線等)
ア 第1の防衛線
イ 第2の防衛線
ウ 第3の防衛線
① マネロン・テロ資金供与対策における内部監査の位置付け
② 監査計画の策定
③ その他内部監査部門が留意すべきポイント
(4)グループベースの管理態勢
ア グループベースの管理態勢に関するガイドライン等の要件
イ グループベースの管理態勢に関する留意事項
① グループ共通の方針・手続・計画
② グループベースのリスク評価
③ グループ内の情報共有
ウ グローバルベースの管理態勢に関する留意事項
① 海外にも拠点を有する金融機関の対応
② 外国金融機関の日本拠点の対応
(5)職員の確保、育成等
ア 職員の確保、育成に関するガイドライン上の要件
イ 単なる「研修」と「トレーニング・プログラム」の違い
ウ トレーニング・プログラムの整備で考慮すべきポイント
① 第1線向け
② 第2線向け
③ 第3線向け
④ 経営陣向け
エ トレーニング・プログラムの運用上の留意点
オ 「従業員採用方針」について

第6章(芳賀恒人)

リスクベース・アプローチと反社会的勢力防止のための態勢整備

1. 反社会的勢力排除の必要性とその根拠
(1)反社会的勢力排除の必要性
(2)反社会的勢力とは
(3)政府指針と暴力団排除条例(暴排条例)
ア 政府指針
イ 各都道府県の暴力団排除条例
ウ 金融庁の監督指針
2. 反社管理態勢(入口・中間・出口)
(1)入口・中間・出口での管理
(2)反社会的勢力対応部署による一元的な管理態勢の構築
(3)適切な事前審査の実施(入口管理)
(4)適切な事後検証の実施(中間管理)
(5)反社会的勢力との関係解消に向けた取組み
(6)金融機関における反社会的勢力排除のための態勢整備
(7)ホワイト化
3. 反社チェックの実務
(1)反社管理態勢の実効性を担保するためのポイント
ア 強い危機感の認識
イ 「正しく行う」とは
ウ 目に見える属性がすべてではない
エ 不作為とは真逆の企業姿勢が求められる
(2)反社データベース活用の正しい理解を
(3)反社チェックのあり方
ア 目利き能力を如何に高めるか
イ 反社チェックにおけるデータベース・スクリーニングの位置付け
(4)反社チェックの具体的な手法
ア 反社チェック手法の例
イ 反社チェックの実務
① 反社チェックの調査範囲
② 反社チェックの調査手法
③ 商業登記情報のチェックポイント
④ 不動産登記情報分析のポイント
⑤ 風評チェックの手法とポイント
⑥ 現地確認(実体と実態の確認)のポイント
⑦ その他、端緒情報のチェック
(5)調査結果を踏まえた取引判断の考え方
ア 調査結果を踏まえた判断のあり方
イ 関係解消に向けた判断

ウ 組織的判断
エ 経営判断の原則の枠組みと説明責任
4. リスクベースの反社管理態勢の実務~KYCからKYCC、KYCCCへ
(1)AML/CFTと反社管理態勢の一体化
(2)KYCチェック/KYCCチェックの必要性
(3)本人確認手続きの厳格化の必要性
(4) マネロン・テロ資金供与対策と金融犯罪対策、反社リスク対策の関係

事項索引